少し日が経ってしまいましたが、 前回の続きです。
DIYで診断した結果、故障の原因はどうもバンク1のVANOSソレノイドバルブ、もしくはVANOS調整ユニットあたりにありそうだということが分かりました。
今回は、これらの修理に一体どのくらいかかるのか!?について調べてみたいと思います。この際なので、ついでにVANOSシステムの構成部品全体についても調べていきましょう。
前回の記事はコチラ↓
VANOS調整ユニット
VANOS調整ユニット(上図1)
品番:
11367841073(バンク1)
11367841074(バンク2)
VANOS機構そのもの、所謂ASSY部品です。ASSY部品ということで、高額な予感しかしませんよね(笑)
国内での価格はネットで調べても分かりませんでしたが、海外では以下のような感じです。
数あるショップの中から安いものを紹介しているのですが、2418.09ドルと高額です。国内なら30万円オーバーは固いでしょう。
そんなに高いのであれば……と、現物修理やオーバーホールの可能性も探ってみましたが、それらしいサービスを行っているところは海外にもなさそうです。
ココが交換となってしまうと、工賃含め片側40~50万円コースを覚悟しなければならないので何としても避けたいところです。
VANOSソレノイドバルブ
VANOSソレノイドバルブ(上図2)
品番: 11367841072
VANOS調整ユニットASSYに含まれている部品なのですが、唯一といっていい単品で供給されている部品です。
ただ、何故かこの部品が高額です。海外サイトによると、以前はそんなに高くなかったそうなのですが年々値上がりを続けた結果、今の価格になったようです。
安めのショップでもこれです↓
1本で何と1300ドル! 1つのVANOS調整ユニットには2つのソレノイドバルブが付いているので、ソレノイドバルブを単品で2本買うなら調整ユニットASSYが買えてしまうという奇妙なことに……
ちなみに、純正に拘らなければこんなものも↓
4本で150ドル、価格に差があり過ぎです(汗)
さすがに品質の方は期待できないような気がしますが、これで故障が直れば神製品ですよね(笑)
もっとも、現実的なところだとこういう品もあります↓
Version 2 - Replacement VANOS Solenoid for BMW M5 and M6 (E60, E61, E63, E64) - Brand New
1本120ドル、純正の1/10以下なのですが実はこれ、海外サイトの有志が立ち上げたプロジェクトで作成された物だそうです。海外では作成者の名にちなんで「ソフィーのソレノイド」と呼ばれています。
純正品が値上がりし続けるため、リーズナブルな交換部品を……ということでテストを繰り返し、現在のVer.2はかなりの品質になっているとか。これなら期待してもよさそうです。
ちなみにこの「ソフィーのソレノイド」、上記サイト以外では販売しておらず、同じ説明文を使っている他製品は全て偽物だとのことです。
VANOS高圧ホース/オイルポンプ(高圧ポンプ)
VANOS機構そのものには問題ない場合、故障原因は油圧系統の可能性が高くなります。事例としては、高い油圧が掛かっているホースからのオイル漏れが多いようです。
VANOS高圧ホース(上図9)
品番: 11367838669
国内の整備ブログでもチラホラ見掛けるのが、この高圧ホースからのオイル漏れによる圧力低下です。
部品価格はこんな感じ。
140.95ドルと、今までの部品よりはリーズナブルです。国内で手配しても3万円くらいで済みそうな価格です。
ちなみに、上図の7番(品番:11367838670)と8番(品番:11367834573)もVANOSのオイルホースなのですが、こちらも200ドル以内で手に入るようです。場所的に9番のホースほど圧力が掛からないのか、こちらを交換している事例は見つけられませんでしたが……
VANOSオイルポンプ(上図1)
品番: 11367841784
VANOSの油圧を生み出すポンプです。
そうそう壊れる物ではないような気がするのですが、普通に部品が販売されているのできっと壊れるのでしょう(笑)
これはヤバい、3355,18ドルと非常に高額です。国内では50万円近くするのではないでしょうか。
何とか安く済ませる方法を探していると、海外でリビルド業者が見つかりました。
1,900ドルでリビルド品が販売されています。これには400ドルのコアチャージが含まれているので、交換の際に取り外した部品を送り返すことで実質1,500ドルになります。現物修理については要問い合わせとありました。これでなんとかなりそう!?
まとめ
VANOS故障について考えられる部品の価格を一通り調べてみましたが、全体的に高額修理になりがちのようです。
また、VANOS異常はメーターやナビ画面では「エンジン異常」としか表示されないため、診断機でディフェクトメモリーを確認しない限りVANOS異常と診断するのは難しいと思います。
次に、VANOS異常と診断された場合の故障部位の特定ですがざっくりと、片バンクのみにディフェクトメモリーが入っているなら調整ユニットやソレノイド、両バンクにディフェクトメモリーが入っているならホースやポンプを疑う……といった流れになるかと思います。
現実的には、片バンクの場合はまずソレノイドバルブを交換、症状が改善されない場合は調整ユニットの交換と、費用が安いものから交換していくのがいいでしょう。ただし調整ユニットの交換となると、前述したように片側40~50万円の出費を覚悟する必要がありそうです。
ホースやポンプの故障の場合、どちらも部品交換はオイルパンを外しての作業となるため、工賃が高くつくのが痛いところです。こちらについても、ホースを交換しつつポンプは点検に留め、症状が改善されなければポンプ交換という流れになるかと思います。ポンプ交換となると、リビルドでも30~40万円は見ておかないといけません。
ディーラーに修理を依頼すれば、ディフェクトメモリーに従い疑わしい部品全てを交換することになるでしょう。当然、ほぼ一発で完治するとは思いますが、もちろん費用は恐ろしいことに(汗)
ちなみに、私のM5については少し希望の光が見えましたので、次回お伝えしたいと思います。