サラリーマン投資家がBMW E60 M5を維持するブログ

10年来の夢だったBMW E60 M5を思い切って購入した、ごく普通のサラリーマン投資家のカーライフと独り言の記録です。

 

 

 

【BMW E60 M5】エンジン警告灯が点灯! その1 ~ DIYで診断してみた結果は!?

前回、エンジンオイル添加剤を試している途中にいきなりエンジンチェックランプ点灯&退避モードに突入してしまったM5。

エンジンオイル添加剤が原因とは考えたくないですが、これが原因ならちょっとショック……しかし、まずは診断してみないことには始まりません。

 

前回の記事はコチラ↓

 

 

ということで、診断を開始です。

 

早速、ICOMを介してノートPCを車両に接続、最近出番が多く大活躍です(笑)

 

ディフェクトメモリーの確認方法については過去にも書いていますので割愛します。

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、何番シリンダーがダメになってるんだ!?」と思いながら結果を見ると……

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あれ!?

 

イグニッションコイルじゃない……VANOSコントロール!?

 

VANOSシステムというのは、BMWにおける可変バルブタイミング機構の名称です。エンジン回転数に合わせて吸排気バルブの開閉タイミングを連続的に変化させることで、エンジンの高回転化・高出力化を可能にしています。

VANOSシステムに異常が出るとカムシャフトがズレて取り付けられたような状態になるため、吸排気のタイミングが最適にならずアイドリングが安定しなくなる……これは十分考えられますし、現在起こっている現象とも一致します。

「どうせイグニッションコイルだろう」と高を括っていたのですが、ちょっとヤバい香りがしてきました……

なぜならこのVANOSシステム、故障の原因は色々あれどVANOS調整ユニットというASSY部品の交換となると、ディーラー修理で50万円オーバーの高額修理となってしまうらしいのです! V型エンジンなのでこの部品が各バンクに1つずつ付いており、両方壊れると100万円オーバー……今回は「バンク1」のディフェクトメモリーのみですので、最悪の事態は免れていると信じたいですが(汗)

 

ちなみに「バンク1」とは、車の正面に立ったときに向かって左側にあるバンクのことです。
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 シリンダーヘッドの前面、矢印が指している黒い筒のような部品がVANOSソレノイドバルブです。各バンクに吸気用と排気用の合わせて2本ずつ、計4本のソレノイドバルブが使われています。そしてVANOSソレノイドバルブが下から上に向かって刺さっている先、これがVANOS調整ユニットになります。丁度、カムシャフトの手前に取り付けられていて、油圧でバルブタイミングをコントロールしています。その油圧を調整するのがVANOSソレノイドバルブ、というわけです。油圧はオイルパンの中にあるVANOSオイルポンプにより作られ、VANOS高圧ホースを通ってVANOSシステムに供給されます。

 

VANOSシステムについてはこの辺にして、診断の続きです。

まず、バンク1にしかディフェクトメモリーが入っていないということは、両バンクに関係してくるVANOSオイルポンプや高圧ホースは問題ないはずです。となると、バンク1にあるVANOSの構成部品が怪しいわけですが、ここでディフェクトメモリーに注目。

インテーク(吸気)側とエキゾースト(排気)側、両方のディフェクトメモリーが入力されています。もしこれがVANOSソレノイドバルブの不具合によるものだとしたら、吸気側と排気側のソレノイドバルブが同時に壊れたことになります。これはちょっと考えにくいですが、何らかのきっかけでバンク1のソレノイドバルブが一気にダメになってしまった可能性も無きにしもあらず……

しかし、ソレノイドバルブの故障ではなかった場合は調整ユニットの故障である可能性が高まるので、それはそれでヤバい! 偶然、ソレノイドバルブが2本同時にお亡くなりになった方がまだマシです(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

ドキドキしながら診断を続けます。

 

ディフェクトメモリー表示画面で「テストプランの計算」を選択すると、故障原因の特定に繋がりそうな点検箇所をISTA/D側が提示してくれます。

 

「バンク1/2のVANOS制御」を選択。

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「バンク1:VANOS制御:故障」の表示が。

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点検方法が表示されます。

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右下の「進む」を選択してどんどん画面を切り替えていきます。

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「1 VANOSシステムテストを実施する」を選択。

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バルブ等級ステイタスなるものが表示されました。バンク2のエキゾースト以外全滅……!?

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今のでテスト終了かと思ったら、これからのようです(笑)

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もしここまでエンジンを掛けていなければ、ここでエンジンを始動します。

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アイドリング状態で「進む」を選択。

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テストが始まりました。この間、エンジン回転が勝手に上がったり下がったりします。

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 テストが終了したようです。

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バンク1の吸気側

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バンク1の排気側

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バンク2の吸気側

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バンク2の排気側

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続いて詳細な数値も表示されました。

 

バンク1の吸気側

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バンク1の排気側

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バンク2の吸気側

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バンク2の排気側

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4本のソレノイドバルブのテスト結果を並べて見てみると、やっぱりバンク1のソレノイドバルブの数値は2本とも基準値を外れています。やはりソレノイドバルブを交換するしかないのか……バンク2の吸気側も少し怪しいし、全体的にソレノイドバルブの寿命が近いのかもしれませんね。

 

ということで次回は、VANOSソレノイドバルブを安く手に入れる方法について調べてみたいと思います。

 

……と、ここまでエンジンを掛けっぱなしで診断をしていたわけですが、VANOSシステムテストが終わった辺りからますますエンジンの調子が悪化(汗)

振動が大きくなってきて「ズンドコズンドコ……」というか「ドッドッドッドッ……」というか、エンスト寸前のような感じのアイドリングになってきました。アメ車の2輪のように車体全体が揺れています。

 

「オイオイ大丈夫かよ……」と思って再度、ディフェクトメモリーを確認してみると……

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バンク1の5気筒全てでミスファイアが発生(汗)

これは重症かも……