サラリーマン投資家がBMW E60 M5を維持するブログ

10年来の夢だったBMW E60 M5を思い切って購入した、ごく普通のサラリーマン投資家のカーライフと独り言の記録です。

 

BMW E60 M5 SMGⅢの故障・トラブルとその原因について考察 ~ 一体どこが壊れるのか!?

BMW E60 M5と聞いて真っ先に思い浮かぶもの……一番はやっぱり5.0LのV10エンジンだと思いますが、それに次いで特徴的なのが「SMGⅢ」というトランスミッションです。

V10のM5/M6の中古車購入に踏み切るのを躊躇させる要素としてはかなりの割合を占めるであろうこのSMG、個人的には「部品代が高い」「燃費が悪い」を抑えての堂々一位だと思います(笑) とにかく「壊れる」「高額修理」というイメージで悪名高いとされているトランスミッションですが、幸い私はまだSMG関係のトラブルには遭遇していません。

当然、私自身も車両を購入する前からSMGには恐怖を抱いていました。声の大きな意見ばかりがどうしても目立ってしまうネット情報ですが、それでも「M5 SMG 故障」で検索するとレアケースとは思えないほど、数々の事例がヒットしますので無理もありません(汗)

しかしこのSMG、詳しく調べていくと機構としてはそれほど複雑なものではありません。一見、定期的な消耗品交換を行うだけでも長持ちしそうですし、例え壊れてもパーツ単位の交換で済む場合もあるんじゃないの!?とも思うわけで……

「SMGは壊れる」「修理代◯◯◯万」いうワードがちょっと先行し過ぎな気もします。

 

ということで、今回はSMGⅢについての以下に簡単な仕組みと、それぞれの部位についてのトラブルの可能性をまとめてみました。

 

 

 

 

 

 

 

SMGⅢの仕組みと構成部品

 SMGはいわゆるセミATと呼ばれるトランスミッションで、マニュアルトランスミッションをベースに、クラッチ操作とシフト操作を自動で行ってくれるシステムです。当然、クラッチペダルは無いので2ペダルとなり、AT限定免許でも運転することができます。特に珍しいというわけでもなく、SUZUKIのAGSやフィアットのデュアロジックといった名前で現行車種でも使われています。これにもう1つクラッチを追加して変速をスムーズにしたのが、欧州車に多いDCTとかDSGと呼ばれているトランスミッションになります。ちなみにLEXUS LFAもV10エンジン + シングルクラッチのセミAT(6速ですが)という、ちょっとM5っぽい組み合わせです。

大まかな構成部品はM5の場合、トランスミッション本体(ギヤ部分)とクラッチ、それらを油圧で動かしているハイドロリックユニット、更にはその油圧を発生させるポンプモーター、あとはコンピュータやセンサー、リレー、ワイヤーハーネスといった電気系の部品となります。

 

M5のSMGⅢです↓ 

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 マニュアルトランスミッションに色々と見慣れない部品が取り付けられたような姿をしています。上部に乗っかっているのがギヤチェンジを行うハイドロリックユニットで、側面に付いているのがポンプモーターをはじめとする油圧発生部分と、クラッチを操作するレリーズシリンダーになります。重量は、滅茶苦茶重いそうで……

 

 

トランスミッション本体(ギヤ部分)

 これは基本的にマニュアルトランスミッションと同じです。M5の場合は7速まであるのでMT仕様(6速)とは部品自体が異なりますが、E46 M3のようにSMGがMTとまったく同じトランスミッション本体を使用しており、そのまま流用してMT化できる車種もあります。

ということは、この部分の故障率はMTと変わらないということで、そうそう壊れる部分ではないと思いますし、MT車と同じようにオーバーホールだって可能です。

細かい可能性を考えると、人力ではギヤが渋くて入らない時も機械が無理矢理ギヤを入れてくるため、若干故障率は高くなるかもしれませんが……

 

 

クラッチ

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SMGで最も多いと思われるのが、クラッチ絡みのトラブルです。ただ、これは故障というよりは消耗品と言った方が正しいかもしれません。MTと同じく、乗り方で寿命が大きく変わる部品です。

クラッチが磨耗限度を超えると、エンジンからトランスミッションへ動力を伝達することができなくなり、完全に磨耗してしまうと走行不能になってしまいます。クラッチ残量は外部からは確認できず、確認するにはトランスミッションを下ろすしか方法がないので、私のM5のようにクラッチ交換歴のない中古車は不安要素が大きいですね(汗)

また、真偽の程は定かではありませんが、クラッチが無くなる兆候として「トランスミッション警告灯が一瞬点灯する」現象が起こるという話があります。この場合、決してエンジンを切らずにそのまま近くの修理工場へ駆け込む、もしくはすぐに車を停めてレッカーを呼ぶかしないと、フライホイールがダメになってしまいクラッチ交換費用にフライホイールの部品代(10万円オーバー!?)が上乗せとなってしまうそうです。

もう1つ、「クラッチ位置の初期化(学習リセット)に失敗したら残量ギリギリ」という話もあります。これは診断機(ISTA/D)を使ったクラッチミートポイントの調整作業なのですが、クラッチ残量がない状態でこれを行うと、調整に失敗して走行不能になってしまうとか。私も診断機を持っているのでこの作業をやってみようと思っているのですが、走行不能からのクラッチ交換を覚悟してやらなければいけません(笑)

あとクラッチ関係の部品では、レリーズシリンダーのプッシュロッドが破損してクラッチが切れなくなる、という事例もあるようです。

これがレリーズシリンダーです↓

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ハイドロリックユニット

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トランスミッション本体を除くと、おそらく部品としては最も高額なのがこのハイドロリックユニットです。コントロールユニットとソレノイド(電磁バルブ)で構成されており、油圧を制御してギヤの切り替えを行う部品です。ASSYでの部品供給は油圧系統も含めたセットとなっているので、どうしても高く付いてしまいます。

気になるお値段は「BMW 21542282998」で検索してみてください(笑)

恐ろしい数字が出てくることと思いますが……しかしこの部品、ソレノイド単体やオイルシールキットが海外で販売されていたり、オーバーホールを行っている整備工場があったりと、現物修理の余地が全くないというわけではなさそうです。ちゃんと作動するのかは謎ですが、中古部品も海外ではたくさん出回っています。壊れたときに備えてあらゆる対策方法をしっかりと調べておく必要があるでしょう。

ネット上ではやたら見かけますが、実際に「ハイドロリックユニットが壊れています」と3桁万円の見積りを出され、泣く泣くこの車を降りることになった人は一体何人くらいいるんでしょうか??気になります。

 

 

ポンプモーター

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ギヤやクラッチを動かすための油圧を作り出すポンプモーターです。これもネットでよく見る故障の1つですが、ポンプモーターだけなら単体で部品も出ますし、修理代もSMG関連の中ではそれほど高額ではないため、これが故障の原因ならある意味ホッとするかも(笑)

故障の可能性ですが、単純にモーターで駆動している部品なので、ドアミラーやパワーウインドウのモーター等と同じくらいの確率で壊れるんでしょうか?ちなみにモーターが作動しなくなると、ギヤを入れることができなくなり、エンジンも始動不能になってしまいます。また、ポンプモーターそのものの故障の他に、フルード漏れで修理が必要になる場合もあるようです。

これも一応、壊れる兆候みたいなものがあるらしく、最初にドアロックを解除したときに足下から10秒くらい「ウィーン…」と聞こえてくるポンプモーターの作動音がいつもより鈍かったり元気がないとヤバい……みたいな話があります。毎回、耳を済まして細かな変化を感じ取るしかない!?

 

 

 

電気系統

コンピュータ

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クラッチポジションセンサー
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ポンプリレー

 

変速を制御しているトランスミッション用のコンピュータやクラッチ位置を検出しているクラッチポジションセンサー、前述のポンプモーターのリレーなんかも壊れる可能性があります。

コンピュータが壊れたというのはあまりネットでは見掛けませんが、海外ではこの部品が大量に出品されているので、意外と壊れるところなのかもしれません。

クラッチポジションセンサーですが、これも壊れると一発で始動不能になる部品です。これは輸入車全般ですが、スピードセンサーやクランクポジションセンサー等、センサー系は結構故障事例を見掛けるので、クラッチ交換時に一緒に交換しておくと安心なようです。

ポンプリレーはSMGトラブルの中で最も軽症です、数千円で直る数少ない故障ですので(笑) ポンプが作動していなかったらまずはこれを替えてみる、というのが基本です。

あと見落としがちなのがワイヤーハーネス(配線)のトラブルです。ハイドロリックユニットのソレノイドに繋がっているハーネスは意外と細く、トランスミッションの上に位置しているためエンジンの熱をモロに受けます。V10エンジンの熱量は凄いので、長期間熱に晒され続けたハーネスは被覆が硬化してボロボロになり、最悪被覆が取れて剥き出しのハーネス同士が接触してショートしてしまいます。クラッチ交換のためにトランスミッションを下ろすと、ハーネスがボロボロになっていたので全て補修した……なんて話もあります。

故障診断のレベルが低い工場だと、故障の原因はワイヤーハーネスなのに、ハイドロリックユニットASSYで交換させられるなんてシャレにならない事態になるかもしれないので注意が必要です(汗)

 

 

まとめ

 だいぶ長くなってしまいましたが、SMGのトラブルの原因とその可能性について書いてみました。少しは安心できたでしょうか?それとも不安を煽るだけ?(笑)
いずれにしても、ノーメンテで乗りっぱなしでは車両を手放すより先に故障が来てしまう可能性が高くなるのは間違いありませんので、走行距離と経過年数を見ながらメンテナンスを行うことが大切です。もしトラブルに見舞われても、適切な対処で被害を拡大させないことも重要ですね。
今後はSMGの部位別に、部品の値段や修理費用を抑える方法について調べていきたいと思います。
できれば実体験を基に記事は書きたくないものですが、いつかは!?