過去記事にて自動車部品の海外発送について何度も書いていますが、一通りの調査 + 実体験で色々と新しい発見がありました。
送料を支払ったにも関わらず、結局は荷物が自宅に返ってくるという憂き目にも遭いました(T_T)
もっとも、私の無知によるところも大きいのですが(汗)
身銭を切ったこともあり、ここ最近でかなり経験値が上がった気がします(笑)
海外発送との戦い(継続中)の記録はコチラ↓
今回は、車ネタとは切り離して純粋に海外発送について書きます。
私自身も発送前に散々ググりましたが、これといった情報がヒットしなかったため「これは参考になる人もいるのでは?」と思い記事にすることにしました。
海外発送はどこに頼めばいい!?
初歩の初歩ですが、私の場合ここからのスタートでした(笑)
なんとなく「郵便局なら問題ないだろう」くらいの認識でいましたが、実際は下記のように様々な選択肢があります。
郵便局
郵便局では、お届けスピードに応じて以下のサービスが展開されています。
- EMS(国際スピード郵便)
- 航空便
- SAL(エコノミー航空便)
- 船便
上から順にお届けスピードが早く、送料も高くなります。
ただし、送付国や荷物のサイズによっては、そこまで劇的に値段が変わらないことも。
また、荷物によっては取扱いができないサービスもありますので、事前に確認が必要です。
上記に加えて、大型荷物やオンラインでラベル作成のできるUGX(ゆうグローバルエクスプレス)という法人向けのサービスもありますが、個人には関係ないでしょう。
国内運送業者
ヤマト運輸に海外発送のサービスがあります。スピードは郵便局のEMSより落ちますが、値段は安めです。
佐川急便、日本通運や、西濃運輸も海外発送を行ってはいるのですが、引っ越し用だったり法人向けがメインです。個人利用できるサービスもあるにはあるのですが、送料が高いため、小包を送る用途には適さないようです。
海外運送業者
DHL、FedEx、UPS等、海外の運送業者も日本に拠点を持っていますので、個人利用可能です。
ただし、送料が異常に高く拠点数も少ないことから、積極的に利用する理由は特に無いと思います。
荷物によっては関税が発生することも!?
日本国内の宅配便しか経験のない方にとって全く馴染みがないのが、荷物にかかる関税の存在です。
少なくとも私は、関税については完全にノーマークでした。関税なんて輸出入を行っている企業にしか関係ないものだと思っていたので、まさか個人の荷物にも関税が発生することがあるなんて夢にも思いませんでした。
ところが実際は、(個人とはいえ)海外にモノを送るという行為、これはもう「貿易」なのです。
また、イギリスのVAT(付加価値税)のように、発送先の国によっては関税以外の税金が発生する場合もあります。また、ネット情報ではイギリスはとにかく関税発生率が高く、思わぬ費用が発生する国ナンバー1みたいです(笑)
「イギリス 関税」でググると、たくさんの被害報告が出てきます(汗)
関税は「受取人払い」が大原則
では関税はどこで発生するのか?
それは受取先の国の税関です。全ての荷物ではないようですが、税関職員が荷物を開封してチェックし、関税額が決定されます。
その後、関税の支払い通知が受取先の住所に届きます。
「あなた宛の荷物に◯◯ドルの関税が発生したので支払ってね! 支払わないと荷物は渡さない(差出人に返しちゃう)からね!!」
という手紙です。
これは万国共通で、受取人が支払うのが原則となっています。
私の場合は「関税の発生した荷物は受け取らない」と謳っているイギリスの業者に荷物を送りましたが関税が発生、期日までに支払われなかった為にそのまま日本に戻ってきてしまいました。関税の支払い通知は開封すらされずに破棄されていたようです。
関税は元払い(差出人払い)にできるのか!?
ここで1つの疑問が沸いてきます。
私は今まで、海外から何かを購入した際に関税を支払ったことなどありません。関税の通知を受け取ったこともありません。
ググってみると「安く買えたつもりが、関税が発生して結果的に高くなってしまった」なんてこともあるみたいですが、基本的に海外通販(業者)の場合は、販売元が関税を支払っているようです。
そこで、同じことが日本でもできるはず……と調べてみると、いくつかの配送業者に関税の元払いを指定できるサービスがありました。
しかし、これには大きな罠が……
以下に一例を挙げます。
郵便局
郵便局のサービスで関税元払いができるのは、UGXのみです。
しかし、これは法人向けサービスなので、各種条件(月50通以上の郵便物!とか)を満たしていないとサービスを利用することはできません。
詳細はコチラ↓
https://www.post.japanpost.jp/int/UGX/condition.html
結論から言って、個人が使えるサービスではありません。
ヤマト運輸
下記ページを見ると、簡単に関税元払いに変更できそうにも見えます↓
●国際宅急便国別ガイド
http://date.kuronekoyamato.co.jp/date/KokusaiTakkyubin?ACTID=J_RKWTJS0020&SEARCH_ID=01&LAND_CD=US
そして、上記ページに下記の記載があります↓
更に、国毎に後日清算(関税元払い)が利用可能かどうかまで丁寧に記載されています↓
しかし、この表にある「(事前契約のあるお客様用)」が曲者です。
事前契約って「発送時に後日清算の指定をしておく」って意味かと思っていましたが、そうじゃないんです。
実は私、ヤマトの営業所まで行ってこのサービスをお願いしました。しかし、営業所の従業員が端末に入力するときに「後日清算」のボタンが出てこないとザワザワし始め……結局、端末で選択できないので後日清算はできませんと言われました。
HPに書いてあるのに意味不明、営業所の従業員も分からないと言うのでフリーダイヤルで問い合わせると、事前契約とは月毎にかかった送料をまとめて清算する契約で、これは法人向け契約のことだそうです。個人では契約できないとのことでした(まぁ、しませんけど……)
だったら最初から「法人のみ」って書いといてくれよ……って感じです。
DHL
DHLの場合、アカウントを取得して契約を結べば関税元払いが可能になります。
基本、法人向けサービスですが、個人事業主という形を取ればアカウント取得は可能です。
送料は契約で個別に決定されます。大量の荷物を扱う大口顧客は送料が安くなるそうですが、一見さん向けの料金表は恐ろしく高いです。
例えば、郵便局のEMSを利用してイギリスに¥7,000で送った荷物、これと同条件で調べてみましたが、DHLの料金表では約¥35,000でした(汗)
他の海外業者でも似たようなサービスがあるかもしれませんが、多分同じような感じでしょう。
まとめ
- 海外発送は郵便局、国内外の運送業者で可能(実際には郵便局かヤマト運輸の2択になると思います)
- 個人でも、荷物の内容や国によっては関税が発生することがある
- 関税は基本、受取人が支払うものである
- 郵便局・ヤマト運輸には関税元払いを指定できるサービスがあるが法人向け、個人では利用不可能
- DHL法人アカウントを個人で取得すれば関税元払い指定が可能だが、送料が高額なため非現実的
- イギリスは関税の面ではややこしい国(関税発生率が高い)なので、関税を払ってくれないイギリス人とは取引しない方がベター
以上を踏まえると、受取人が関税を支払ってくれない相手の場合「日本から海外へ個人が(関税の発生する)荷物を送る」ことは事実上不可能です。
私の場合は自動車部品の修理を海外業者に依頼しようとして失敗したのですが、同じように「海外にモノを送って何かしらの作業をしてもらう」ような場合は注意が必要です。
関税が発生した場合に
- 荷物を受け取ってもらえないのか?
- 相手が関税を支払ってくれるのか?
- 関税支払い通知が来たことをこちらに教えてもらえるか?
など、どう対応してもらえるのかを相手にしっかりと確認したうえで発送しましょう。
TPPやら何やらで、関税が撤廃された国や品目ならばこんな苦労をしなくて済むんでしょうかね!?
せめて個人の荷物くらい何とかしてほしいものです……