今から15年程前の2005年頃、世界の自動車メーカーの間で巻き起こったハイパワー競争。そんな中で登場したのが、1世代限りで終わってしまったV8エンジンのM3とV10エンジンのM5/M6でした。
最初で最後の大排気量NAモデルということで、私を含めコアなファンの多いこれらのクルマ達ですが、この2つのエンジンに共通する泣き所と言えばスロットルアクチュエーターです。
今更説明の必要もないかもしれませんが、この部品はスロットルバタフライをパカパカと動かしているモーターで、V型エンジンの谷間の部分に取り付けられています。各バンクにつき1つ、合計2つのスロットルアクチュエーターで、8連または10連スロットルの鋭いレスポンスを実現しているわけです。
そして、これがよく壊れるということで有名なのですが、何より困るのが「部品の値段が高い」ということ。
一説によると、2つ同時交換の場合ディーラーで40万円オーバー、私のM5も夏に故障してしまい30万円掛けて交換しました↓
しかし、その後色々と知識も付いてきて(?)、もっと安価に対処することができることが分かってきました。
今回は、スロットルアクチュエーターが故障した場合の対処について、選択肢をいくつか紹介したいと思います。
新品交換
最も一般的なのは新品交換ですが、前述した通り部品代が高額になります。
純正だと、ネットでも1つ17万円します↓
【BMW純正】BMW E90 E92 M3用 スロットルアクチュエーター Throttle Body Actuator 価格:170,720円 |
また、純正ではありませんが Burkhart Engineering というドイツの業者でも取り扱いがあります。純正で単品設定のない、E46 M3のSMGポンプを販売している、その界隈では有名な業者ですので、品質的には問題なさそう(?)です。
社外かOEMの新品のようで、価格は639ユーロと純正に比べてかなりお値打ちです。日本円で、送料込み8万円チョイってとこでしょうか。
https://burkhart-engineering.com/54399en
リビルド品交換
もう1つの方法として、リビルド品を購入するという方法があります。
交換後、コア(外した部品)を返却することでデポジット(預り金)が返金されるというシステムです。
イギリスの業者で235ポンド、送料込みで36,000円くらい。海外業者お得意(?)の永久保証です。
アメリカの業者で405ドル、送料込みで50,000円くらい。こちらも永久保証付きです。
現状、為替レートの関係でイギリスの方がお得ですが、その時のレートでどの国の業者を使うか計算するといいでしょう。
現物修理
私が現在、DSCユニットを修理に出しているイギリスの業者です。現物を送付して修理するなら200ポンド、リビルド購入(要コア返却)で255ポンドと、送料を考慮しても国内業者よりかなり安いです。もちろんこちらもDSCユニット同様、永久保証が付いています。
https://www.ecutesting.com/product-catalogue/bmw/5-series/throttle-body/tbyk49066
ちなみに、国内にも現物修理を行ってくれる業者は存在します。検索すればすぐに出てくるので詳しくは書きませんが、相場は7~8万円くらい。
まとめ
以上のように、スロットルアクチュエーター故障修理の選択肢を挙げてみました。普通に新品部品(特に純正)を注文して交換するのはあまりにも勿体無い気がしませんか?
問題は、どの方法も海外を経由しますので、国内での部品手配より時間がかかってしまうことです。部品の脱着を修理工場に依頼する場合、この手の方法は嫌がられる可能性が非常に高いので、不動車を預かってくれる親切な工場を探すか、自分で脱着作業を行う必要があります。
私のように自宅で故障した場合は、すぐに部品の手配をして、部品が到着次第レッカーを保険会社に要請し、修理工場に作業を依頼すれば比較的スムーズに進むと思います。
もちろん「そんな時間的余裕は無い」とか「この程度の金額差なら大したことない」といった意見もあると思いますが、何かの参考になれば幸いです。